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会長挨拶

本年5月の通常総会で、95周年を迎えたこの歴史ある照明学会の会長に選任されました。誠に光栄なことであり、同時に責任の重さを痛感しています。

さて、去る3月11日に東日本大震災という未曽有の災害が発生しました。被災された皆様には、心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
 ところで、今回の震災のニュースを見ていて感じたことがあります。ニュースで復興の第一歩を表すために、部屋の明かりがつき、そこのお宅の方が笑顔で見つめる、あるいは拍手するという場面が幾度か流されていました。

松明たいまつではなく電灯が“く”というのは、現代の人にとって人間らしい生活の基礎だと感じられているのです。照明の原点といっていいのかもしれません。

そして今、計画停電を経験した後、省エネ・節電という視点から、蛍光灯の間引や看板灯の消灯というシンプルな手法から、LEDへの取り換えや、省エネになりながら販売に影響を与えない照明手法の提案まで、照明に対する関心が非常に高まっています。照明について一般メディアでこれだけ取り上げられるのは、オイルショック以来のことではないでしょうか。

ご承知のとおり、本学会の活動の主旨は、照明、視覚、光・放射および熱ならびにこれに関連した研究の連絡提携および普及促進を図り、学術の発達および技術の向上に寄与することです。
 しかし、本学会が他の学会と異なる大きな特徴・特色があります。それは、学術・研究にかかわる会員だけでなく、実業に携わる会員が多いという点です。本学会は今後もこの特徴を生かし、実業に近いが、しかし学究的であるという他にはない面のバランスを図って活動していくことが大切だと思っています。

先ほども申し上げましたように、今、節電という側面から照明に対する関心が高まっています。この意識はしばらく続くでしょう。その中で消費者は、照明に関してより多様で正確な情報を求めています。本学会がその特色を発揮し、新しい技術を正しく評価し、客観的な情報、科学的な情報を提供していくことによって、社会に貢献していくことができれば幸いです。

また、今年度は、一般法人への移行という極めて実際的で時間の限られた課題があります。そのうえで新法人移行に合わせて組織が見直され、分科会を中核とした活動体制も整備されました。平成23年度中の移行申請および認可を目指し、着実に取り組んでまいりたいと思います。

そして、それが5年後に近づいている創立100周年を迎えるにあたり、本学会の確固たる基盤強化につながっていくことを期するものであります。

会員の皆様および本学会の活動に期待を寄せていただいている皆様のご理解、ご協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

平成23年5月26日

照明学会会長 大野 智彦

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