写真1 全景
写真2 基準階執務室
「愛宕グリーンヒルズ」は、「愛宕山の既存の地形と緑を保存し、都心の貴重な景観資源として活用する」ことをコンセプトに森ビル、青松寺、日本放送協会他と共同で進められてきた大規模再開発プロジェクトである。約38000平方メートルの敷地には、42階建て延べ床面積約86000平方メートルの事務所棟「MORIタワー」をはじめとして緑濃い愛宕の森や中央の青松寺と共存している。(写真1)。
写真3 一体化された照明器具
テナントオフィスビルは、単なる事務処理スペースではなく、知的生産性を発揮できる環境であることが求められている。また、米国で一般的である躯体および共用部設備ができた状態で、入居テナントの都合に合わせて仕上げる「スケルトン貸しオフィス」という貸し方によるコスト削減も求められている。近年、わが国においてもグローバル化や法規制の緩和に伴いこの方式が脚光を浴びてきている。そこで、これらの要求に対応可能な新照明システムが執務室(写真2)に設置されている。この新照明システムは、スケルトン貸しオフィスに対するコスト削減を踏まえ照明器具に空調吹出口・吸込口、火災報知器、スプリンクラーなどが一体化されており、光反射率白色塗装技術の開発により快適な執務環境が実現されていた。しかも国際照明基準(CIE)にも対応したグレア抑制形照明器具の開発により快適な執務環境が実現されている。ここでは、机上面維持照度が600lxに設定されている(写真3)。