TOP / 照明学会について / 会長挨拶

会長挨拶

このたび6月に執り行われました定時社員総会において、照明学会の会長に選任されました。
100年を超える歴史と伝統ある学会の会長を拝命することは大変光栄なことであり、また同時に責任の大きさを痛感しております。

さて、今なお私たちの記憶として鮮明に思い起こされる東日本大震災では、その後に続く計画停電などを受け生活・産業あらゆる部分での省エネルギー化を意識する大きな転機となりました。そして省エネルギー化の対応策のひとつとして照明分野も大きな役割を果たす中、ゆっくりとしたパラダイムシフトが生じ始めていた照明分野では、LED照明に代表されるSSL(Solid State Lighting)の省エネ性に注目が集まり技術的にもコスト的にも急速な進展を遂げたことは皆様もよくご存知の通りです。さらに政府発表の「エネルギー基本計画」、(一社)日本照明工業会にて策定された「照明成長戦略」と軌を一にする様に多くの光源メーカー様が従来光源の生産終了をアナウンスされ、光源のパラダイムシフトはいよいよ次の段階へ進もうとしております。直近の市場動向に於いても家庭用や設備用の汎用照明ではLED照明が既に市場の過半を占めており私達を取り巻く環境の変化の一端がみてとれます。
 そうした転換期の中で、設立103年目を迎えた本学会では次の100年に向けた提言として“将来にわたり日本と世界の変化に対応しながら、文明の象徴である照明に関する学理とその応用に関する調査や研究に先導的に取り組み、広い視野からの融合・連携を通じて得られた知識や成果によって学術・技術・文化及び関連事業を振興し、次世代の人材を育成するとともに人類と社会の持続可能な発展に寄与する”という長期ビジョン(グランドデザイン)を発表しております。
 なかでも“人類と社会の持続可能な発展に寄与する”いわゆるSDGsの目標に対し取り組むことは、世界の変化に対応する上で本学会にとっても大切な目標であります。業界の動静を概観すると「エネルギー基本計画」や「照明成長戦略」に謳われるストック市場のSSL化100%は省エネ化により経済や気候に少なくない影響を与える事と想像できますし、昨今ではIoTによるシステム技術の中で端末機器としても様々な連携が考えられます。また有機ELをはじめとした新光源の研究・開発の加速や、近年では照明分野と衛生・医療、農業など異なる分野を横断した応用事例等のように多くの会員各位が様々な形で学術・技術の向上に取り組まれています。このように単純に“照らす”という以外にも多くのシーン・用途で活躍する照明学であればこそ多くの目標にアプローチできると確信しております。本学会の責務はそのような目標に取り組まれる会員各位の活動をより良く支援させていただく事と、同様に学術・技術の向上に励む未来の会員に向けて情報を発信し続けることと考えております。

諸先輩方のご挨拶の中でも幾度かふれておられますが、学術研究に携わる会員のみならず、実業に関わる会員が多いことが本学会の特長であります。本学会は6つの重点活動方針の元、特長を伸ばすべく様々な分科会を準備し会員各位の活動を支援しております。
 先に述べました通り3年経過したとはいえ本学会は次の百年に向けたスタートをしたばかりです、ろうそくから白熱電球、白熱電球から蛍光ランプそしてSSLに変わりゆくなか、技術の変遷には過去も同様の期待と不安があっただろうと想像します。本学会としては会員各位の協力を得ながら現在及び将来の照明技術の課題・展望を明確にし向上させ人類と社会に貢献すること、更にそのための人材育成を強化し学会のプレゼンスを更に向上させるべく努めて参りたいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します。
 会員各位の活動を支える為には、学会運営の基盤強化も併せて必要な事と認識しており、本学会の活動を通じ会員各位の育成・成長や支援・奨励の機会を提供できるよう、会員各位のますますのご理解とご協力を賜りますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

令和元年(2019年) 6月14日

照明学会 会長 豊島 久則

このページの先頭へ