伝統的な武家屋敷(土居廓中)と調和した屋根と市民を迎え入れる安芸市産ヒノキの軒が特徴的な外観の庁舎である。南側1階には、駐車場からの視線を緩やかに遮るCLTルーバを設け、内部から漏れる光とルーバを照らすライトで木材部分が浮かび上がるデザインとなっている。
入口付近の市民協働スペース(エントランス、多目的室、食堂、会議室)は広場に面して雁行配置し、壁は全面ガラス張のアルミ木複合サッシ、天井は大判CLT床版としている。木材部分は明るく照らすことを意図して照明器具を天井に設けず、間接照明と吊り照明が併用されている。
内装は、安芸市産ヒノキを床フローリング、カウンター、腰壁、壁面ルーバなどに使用し、木のぬくもりのある庁舎とした。照明演出で木材部分を照らすことで、より木に包まれた空間を演出している。
免震構造の採用、自家発電設備・太陽光発電設備を備え、地盤の嵩上げなど浸水対策を行い、南海トラフ地震のほか様々な災害に対して機能する防災拠点にもなっている。
天然の木材を多用した建物で、木材の温かみを感じさせる照明が工夫されている。執務エリアや窓口エリア、その他適材適所の照明となっている。