大阪市と京都市の中間に位置する枚方市駅(京阪電気鉄道)は、京阪本線と交野線の合流する北部大阪エリアを代表するターミナル駅であり、約40万人の人口を抱える枚方市の中心駅である。
「ステーションヒル枚方」はこの枚方市駅と接続する形で計画された住宅・ホテル・商業施設・オフィス等の複合用途による再開発プロジェクトである。鉄道線路と河川に囲まれた三角地帯を敷地とする本プロジェクトは、都市の新たな拠点機能を担うとともに、周辺地域を再統合するまちの核として中心市街地の活性化に寄与することが目指されている。
外観を特徴付ける雁行配置の超高層ツインタワーには、かつて京街道の宿場町であったまちの歴史から道標をモチーフとしたシルエットが採用されており、枚方の新たなランドマークとして特徴的なスカイラインが形成されている。
低層基壇部にあたる商業施設棟では、建物の内外に設けた歩行者通路が周辺地域をシームレスに繋げ、さらに各所に設けられた地上・屋上の広場空間を互いに接続することで、まち全体の回遊性と都市空間としての豊かさが向上する計画となっている。
再開発プロジェクトにおいて照明が担うべき役割を十分に理解し、夜景との調和を重視した照明計画が印象的である。LEDを用いた統一感ある色温度ゾーニングにより、歩行者の安全性と視覚的快適性を確保している。特にレール照明の避難誘導性やメンテナンス配慮など細部の工夫も秀逸である。