三井ガーデンホテル京都三条プレミア 36

関西9京都市中京区

照明施設賞受賞

  • 三井不動産株式会社
  • 株式会社竹中工務店
  • パナソニック株式会社
  • 大光電機株式会社
図1 外観
図1 外観
図2 中庭3
図2 中庭3
図3 ロビーラウンジ
図3 ロビーラウンジ
図4 路地
図4 路地

概要

 京都市の中心地、三条高倉の近代洋風建築の建ち並ぶまちなみの中で「ここにしかない京都らしさ」が際立つように構想されたホテルである。
 南北方向に奥行きの深い敷地形状を市街地にいながら山中の自然と触れ合うような営みを求めた京町家の空間構成に見立てて「市中山居」の居心地が追求されている。建物は2つの「ロの字」の箱が南北に並ぶ全体構成とされ、それぞれの1階共用部は街にひらかれた「オモテ」とホテルゲストに用意された「オク」と位置づけられ、全体が連続するアプローチ空間となっている。散在する中庭もそれぞれ異なった意味づけで内部空間に多様な視点場や心地よい居場所を作り出している。
 建物の照明計画も“市中山居の居心地“をテーマとし、外装は現代建築の意匠としつつ近傍に建つ「京都文化博物館」や「中京郵便局」への敬意として石、鉄、煉瓦調タイルがまとわれている。光の演出は石の列柱を照らすのみとし、ホテルの格調や魅力が伝わり、夕刻のまちなみをやさしく彩っている。内部は一日を通して中庭と内部空間の一体感が得られるように照明のガラススクリーンへの映り込みをなくし、自然光の影響を加味して照度を自動制御するなどの配慮がされている。

  • 用途:ホテル
  • 規模:地上5階、地下1階、RC造、建築面積:2,096.63㎡、延床面積:10,514.18㎡

2025年照明施設賞 寸評

 京都らしい控えめな照明によって街並みとの調和を図り、建築の存在感を巧みに引き出している点が優れている。特に室内と中庭の照明を連続的につなげる工夫により、高い視覚的快適性を実現した。省エネ性と空間演出のバランスは高く評価できる。