神戸須磨シーワールドホテルは、須磨海浜公園と須磨水族園の再整備計画の一環として誕生した水族館オフィシャルホテルである。瀬戸内海と六甲山系に囲まれた立地を活かし、公民連携手法による公園との一体整備となっており、施設の特徴は、水族館から供給される海水を活用したイルカラグーンや客室内海水魚水槽など、水生生物との触れ合いを通じた独自の宿泊体験にある。「地上に舞い降りた客船」をコンセプトに白を基調とした外観デザインを採用し、周辺景観との調和が図られた。
照明計画においては、「渦潮」をテーマとした青を基調とするインテリアと連動し、天井に組み込まれた発光ディスプレイにより海景と呼応する空間演出を実現している。そして、昼夜を通じて変化する光の表情が、非日常的な滞在体験を創出している。
施設の特徴を最大限に活かし、青色を基調とした照明計画で非日常的な空間演出を実現している。LEDヴィジョンや色温度制御、グレア対策が細部まで緻密に行われ、省エネ性と視覚的快適性を両立。光害への配慮も顕著で、他施設との差別化を図る照明デザインとして完成度が非常に高い。ロケーション特性を活かした独自性ある演出として高く評価できる。