市の公共施設再編として、旧宿場町特有の公共敷地と近隣の密接な関係に焦点を当てて計画された複合施設である。
図書館を核として公民館機能、子育て支援機能が複合され、縦動線を含めた中央のコモンズ空間が各層・各機能と相互に影響しあいながら融合して、スパイラル状につながることを考えた。各フロアでの活動が染み出し、利用者が階段を上下するなかで活動の見る見られる関係が新たな活動を生み出すきっかけとなる。
また、近隣へのプライバシーと施設での賑わい創出を両立するため、施設中央部に交流の場“コモンズ”を設け、まわりに会議室などの機能空間、ファサードには室内環境を整える仕掛け「エコスキン」をまとわせた。施設中央部の動的な空間から外に向かって静的な空間になるような構成とし、内部の賑わいをほんのり外から感じる、賑わいの重心と周辺との関係を創り出した。
複数の施設が混在している屋内では、各空間の用途やコンセプトに合わせて各種の照明器具が配置され、楽しさとデザイン性などがある照明演出がなされている。屋外においては地域との関係性を重視しつつ、内部の賑わいがほんのりと外からも感じられる景観を構築している。