美しい山並みに囲まれた盆地の豪雪地域にある、実践倫理宏正会富山城端支部のリニューアル計画である。雪や山並みをシンボルにして取込みながら雪おろしや落雪において周辺住宅に配慮して、蓄雪無落雪屋根とした。この地域の特性である雪のたまり方をデザインしたシンボリックな屋根のもと、多様な人が集まる一室空間として計画している。
雪庇や飛雪を考慮する積雪シミュレーションにより、多角・谷型の蓄雪屋根形状を導き、軒天を照らす照明や五箇山和紙を使用した障子越しに漏れ出す光によって、まちのシンボルとして浮遊する屋根を表現した。外灯の少ない地域の「まちの行灯」として人々の拠り所となり、まちに対して集まる場として働きかけのある施設を目指している。
豪雪地帯の特性を考慮し、雪下ろしや落雪のないようにデザインされた屋根を浮いているかのように見せる幻想的な照明設計となっている。軒天を反射板として照射する手法に加えて、障子を通して漏れ出す光も活用し、まちのシンボルとなると同時に防犯の役割も担うよう計画されている。