地域の産業活性化のための新たな交流と共創の場として、キャンパス東門の正面に位置し、メインストリートに面して佇む建物である。学生が学ぶと共に地域・企業との協働を一層充実させることを目的に計画された。岡山県は国内最大のCLT(※)生産能力を有しており、CLTの活用拡大を通した地域産業の発展が期待されているため、木造CLTパネル工法を適用し、CLTの可能性を示す建築を目指した。(※)CLT:ひき板を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料
木材の暖かさが生きる照明設計で、いわゆる大学講義室っぽくない作りが照明効果と相まって強く印象に残る。木目調の内装とマッチし居心地の良さがある。
学び舎の木材と調和のとれた照明演出がある一方、天井の梁からの反射光を利用したCLTの間接照明は独創的である。
地元の特産をフルに活用した,特異な外構仕上げの演出に加え、内構では講義室としての均質な照明が求められるなど,矛盾する要件がうまくまとめている。
外壁を照らし出すことで木の素材感を引きたたせ、あたたかい雰囲気を表出する照明計画は、照明施設賞の授与に値する。