西日本最大のターミナルエリアに位置づけられるうめきた地区のポテンシャルを活かした開発が始動し、その一環として、うめきた2期区域の基盤整備である「東海道支線地下化・新駅事業(以下、うめきた地下口)」と大阪駅西高架エリア開発の「新改札口整備(以下、西口)」が JR大阪駅を拡張・進化させるかたちで整備されることとなった。
「うめきた地下口」は、うめきた2期区域という新しいまち「グラングリーン大阪」の玄関口として、「西口」は、再開発が進む大阪駅西部の新たな玄関口として供用開始を迎えた。「うめきた地下口」は、まちづくりコンセプトである “「みどり」と「イノベーション」の融合” を、「西口」は既存の大阪駅の風格を継承しつつ、新たに “水都大阪の歴史” をそれぞれのデザインとして昇華させることで、単なる利便性の向上だけではなく、都市の魅力を最大限に引き出す役割を担っている。
「水都大阪」をコンセプトに、エリアごとのテーマが照明で表現され、大規模室内空間でありながら開放感と楽しさをもたらす空間となっている。不特定多数の人が利用する公共施設として、安全性を重視した必要十分な機能が確保されているとともに、間接照明を用いた大樹の「こもれび」や波紋など、アクティブな動きのある照明によって浮遊感や安らぎを感じさせる演出となっている。まさに、次代の公共空間開発として照明がその一翼を担うロールモデルといえる。