都心部における民間事業者の開発にて、バルコニー付きテナントオフィスビルと地域に開かれたポケットパークを創出した施設である。
計画敷地は、大規模再開発が進む青山通り(都市スケール)と小路(ヒューマンスケール)に位置し、都市の二面性が引き出された計画となっている。敷地奥は緑豊かなポケットパークや青山通りと外苑西通りを繋ぐ小路のような貫通通路を整備し、南青山三丁目交差点を中心とする回遊性へ発展する歩いて楽しい街づくりを目指している。
地域の人も利用できるポケットパーク・ビルで働くワーカーのためのルーフトップテラス・各テナント専用のアウターバルコニーの3つの空間は、ワークスペースの余白空間として機能し、多様な働き方が創出される。出社する必然性が希薄となった時代の中で、アイコニックなホームグラウンドを創る事で、自身の働く会社への帰属意識が醸成される事も意図されている。
アウター・インナーバルコニーの天井面に見えるワークスペースの機能的な照明の光のリズムを制御することで、コスト・省エネ性にも配慮されたダイナミックなファサードライティングを演出している。貫通通路やポケットパーク、ルーフトップテラス等の外構空間では間接照明や点光源、鉛直面演出を用いて、人々に安心感を与え、誘引性や滞在時の快適性に優れた心地よい空間となっており、都市スケールとヒューマンスケールの両面で利用者への帰属意識が醸成される計画である。