前田利長公ゆかりの国指定史跡である古城公園に面した場所に位置し、眼前に広がる古城公園の水と緑に恵まれた豊かな景観を建築に取り込めるように計画された。
設計は、文化功労者・日本芸術院会員の建築家谷口吉生氏が手がける富山県内初の建築である。特徴的なファサードは、角度によって屋内が見え隠れするため、1~6階の見え方を統一する照明計画がされている。2~6階まで伸びる縦ルーバを3500Kのライン照明で内側からライトアップしたことで、室内から漏れる様々な光とオーバーレイし建築の夜の表情が整えられている。また、2階ラウンジは、照明器具の存在を可能な限り排除して、水庭の風景が室内と一体となるようにデザインされている。
国指定史跡である高岡古城公園に面した建物である。外観は伝統的街並みの象徴である千本格子をモチーフとしており、可動遮光アルミルーバにより昼間は日射を遮蔽、夜間は内側からのライトアップにより漏れ明かりを上手く表現し、柔らかい印象を与えている。二階ラウンジの水庭においては、照明器具の排除と間接照明の効果により厳かな雰囲気を演出している。