栄研化学株式会社の分散していた研究部門を集約した新研究所である。研究者個人と組織の知的創造性向上のため、実験エリアと事務エリアの間に「共創エリア」となる三層吹抜けの場を設けており、そこに、浮遊する多目的なボックスを配置して、研究者同士の活発なコミュニケーションを誘発することを目指している。研究者は、実験エリアと事務エリアの間の「共創エリアに浮遊するボックス」を行き来し、日常的な同僚・上司部下とのコミュニケーション、思考の転換、リフレッシュをすることで、研究開発の促進へと繋げていく。
外装には「間接採光を取り入れる上段窓」と「眺望を取り入れる下段窓」を事務エリア全面に展開し、自然光と人工照明を効果的に組み合わせて、明るく快適な研究環境を創り出した。
閉鎖空間となりがちな研究所において自然採光を多く取り入れて明るく開放感のある施設となっている。 コミュニケーションの場である共創エリアに浮遊するBOXは光環境に変化を与え人の気分を切り替える異空間を演出している。室内は、生産施設として均斉度及び明るさ感の詳細な検討がなされており、将来に対する更新性と経済性に配慮した照明設備となっている。