住宅エリア内に位置するため、街並みとの連続性等を重視し、一見工場には見えない配棟計画・デザインである。また、道路に面して緑化や展示スペースを設け、地域と共存する工場づくりを目指している。
1~3階が工場エリアとなっており、建物長さを最大限に活かした計画で、階の執務・食堂エリアは、屋上テラスと一体で明るく開放感のある環境であり、工場のイメージを払拭する空間としている。
隣地と一体化させた緑豊かな地上部を屋上テラスへ繋げるよう、建物の一部をセットバックし各階に緑が植えこまれている。セットバックにより建物の圧迫感の緩和も計っている。 振動・温湿度管理の与件からRC建物で窓のない計画だが、圧迫感緩和のために通学路側の建築ボリュームを3つに分節し、壁面をキャンバスとして凹凸パターンを装うことで「企業理念」「生産技術」「地域性」を表現している。
建物外観、工場エリア、執務エリアそれぞれの明確な照明コンセプトが高いレベルで具現化されている。工場エリアのH鋼を利用したベース照明、執務エリアのL字状配置による均斉度の向上など合理的発想が素晴らしい。光害を配慮した景観照明も良い。