「アカデミアとしての格調の継承」と、「豊かな交流空間の実現」、「高密・高機能なキャンパスづくり」をコンセプトに創出された『ステージ型』キャンパスである。学生の活動拠点を2階レベルに配し、隣接する公園の風景と連続しつつアカデミックな空間性を確立している。
高層のボリュームの屋上広場や空中ラウンジ等では、学生の活動が表出して地域との相互関係を生む。低層のボリュームにはカフェやスポーツ施設を設け、ファサードを通じて公園に賑わいを表出させている。低層と高層ボリュームの接続部には、学生生活が展開する中心のアトリウム空間を設けている。
アトリウム空間での昼光活用とライン照明を統合した環境づくりもユニークだが、この施設の光環境の見どころは、隣接公園とキャンパス内部空間を繋ぐ外部階段と軒下空間の境界領域に、間接照明主体の立体的な光環境が形成されている点である。その空間の光は低色温度で公園の賑わい施設と同調し、深い軒天井への間接・反射光が公園に対して開放的な半屋外デッキの雰囲気を作っている。ダウンライトやライン照明は巧みに隠されて間接照明の雰囲気を損なっていない。