京都御苑の文化を広く未来世代へ繋げることを目的に、京都御所を中心に西、北、東の三箇所に、「京都御苑情報館」「近衞邸跡休憩所」「清和院休憩所」を新たに整備した。建築は日本的空間の構成原理を、現代的条件において具現化した。照明計画は建築の母屋と庇による伝統的な空間構成を明快に示し、御苑の景色の中に美しく浮かび上がるように取り組んだ。
伝統的な構成の空間において、木造建築の美しさを効果的に魅せ、自己主張しない照明によって自然との調和というコンセプトの実現を図っている。
脱炭素化の流れから木造化が注目される中で、アンビエント照明を主照明とする木天井の照明手法であり、京都御苑内の施設にふさわしい上質な光環境を創り出している。