図書館、保健福祉センター、市民活動の場の用途とおおらかな庭を持つ、豊かな自然環境と一体となった複合公共施設である。全長100mの湾曲した細長い平面形状は敷地南側の「おおらかな庭」を包み込み、四季の変化を感じることができる。
建物中央ラインを頂部とした大屋根を支える梁には、地産のヒノキ・スギ材を使用し、連続した頂部の採光窓と、南北面の窓からは多くの自然光を取り入れることができる。その自然光は、弓状の大屋根で拡散され、2階図書館全体の照度を補うことができ、1日の時間の移り変わりを感じることができる。夜間や自然光のみで不足する時間帯は、柱に設けたアッパー照明でアンビエント照度を確保すると共に、光の陰影で浮き彫りになった木梁天井の大空間は来館者を圧倒し、木ならではの柔らかな光で包み込まれた空間は大きな魅力である。