本施設が立地する高知市の追手筋は、日曜日になると300年以上の歴史を持つ、土佐の日曜市が全長1,300mにわたり建ち並び、8月には県最大のイベントであるよさこい祭りの会場になる。さらにその周辺には国の重要文化財である高知城や、坂本龍馬など幕末維新志士の歴史を伝える歴史博物館といった文化施設や高校、大学といった教育施設が集積する高知最大の文教地区でもある。そのような高知の中心に建築された当該施設は、全国初の県と市の合築図書館であり、高知声と点字の図書館と高知みらい科学館も配される複合施設である。さらに本施設は南海トラフ地震に対する緊急避難場所(津波避難ビル)としての機能も有しており、県民、市民にとって重要な公共施設となっている。
国内初の書架照明手法として、閉架書架は書架下方の縦フレームに照明を内蔵し、相対する書架の鉛直面照度を確保している。外観もルーバーから漏れる光を計算されており、全体的に木のぬくもりを感じるやさしい空間に仕上がっており、心地よさを感じる。知の拠点である図書館として居心地のよさそうな照明(光環境)が実現している。