北側に印刷センター棟、南側に配送センター棟を配置し、2棟の外観はかつて海であった田園に浮かぶ“島”あるいは“船”のようなシルエットをつくり、地域の新たな原風景として親しまれることを意図した。また、外観はガルバリウム折板ラジアル加工により、ロール紙が流れるような形態とした。印刷センター棟は、ロール紙を搬入し保管する「立体紙庫」、輪転機にロール紙をセットする「仕立て室・ 給紙部」、新聞の版を製作する「製版室」、新聞を印刷する「輪転機室」、印刷された新聞を梱包する「発送 梱包室」、新聞を発送する「発送ヤード」等で構成される。
これらの生産部門を取り巻くように展示スペースが展開しており、ガラス貼りの立体紙庫や 輪転機室内部を貫くガラス貼りのブリッジなどにより、新聞製作の迫力を見ることができるだけでなく、音や匂いなどの五感を通じて体験することができる。また、展示スペースではNIE(Newspaper In Education)、NIB(Newspaper In Business)に対応した映像、グラフィックや実物による展示を行い、シアターやワークショップルームも備えている。
通常の工場にはない光環境であり、適光適所な照明計画となっている。作業性を確保しながらも、展示場としての環境をつくる照明設計となっており、照明の独創性が高い。