1966年竣工、大谷幸夫氏設計の日本で最初の国際会議場「国立京都国際会館」の増築である。豊かな自然環境に協調し既存建築との調和と革新をテーマとしている。パブリックスペースは、連絡歩廊を“縁側”、ホワイエを“入側”、新たなホールを“お座敷”になぞらえ、日本建築の「場」の構成を意識したストーリーを創出し、大空間を有しながら多様な場を感じられる空間展開を意識して設計された。また、内装、家具、庭などには、伝統的な素材と京都の伝統産業の技が随所に活かされ、来館者を楽しませてくれる。ニューホールは、式典・表彰式はもちろん、パーティー、イベント、展示・商談会など思いどおりの演出が可能である。また、隣接する既存のイベントホールとの同時利用で、4,000名規模の大型催事がひとつのゾーンで開催可能となり、世界中のゲストを迎える国際交流の舞台として時代を先導してきた「国立京都国際会館」に上質なコミュニケーション空間を新たに加えることとなった。
各照明とも建築空間にうまく溶け込むように設置が工夫されており、光だけが際立つ空間となっている。ニューホールのシンボルでもあるガラス屋根は、透過型太陽光発電パネルと側面の開閉式機構による煙突効果を利用した自然換気と冬の暖気利用に加え、昼光利用と比叡山の眺望を確保しており、環境配慮に工夫されている。また、間接照明をうまく利用し、ぼんやりとした光で京都らしさを演出するとともに、光と影による幾何学模様が違う表情を作り出し、夜独特の雰囲気を作り出している。