500年の歴史を持つ老舗和菓子店・虎屋によるテナントビルである。4階カフェ、11階レストラン、12階バーは虎屋の直営、5階は老舗陶芸店、1~3階にはラグジュアリーブランドが入居している。6~12階のファサードはゴールドのアルミパイプを織り込んだステンレスメッシュによる簾状のスキンとなっており、階毎に微かに傾斜がつけられ、細部にこだわった照明計画により、光源や下地材をほとんど感じさせないデザインとなっている。4~5階テラスは街並みの中に浮かび上がるデザインとし、12階~屋上庭園では照度を絞り、特徴的な作庭を活かして銀座の夜景を楽しむことができる。メッシュファサードのライトアップで統一感を与えつつ、1~3階のブランドショップとテラス階を浮かび上がらせることで、銀座の街並みと調和しながら建物の存在感を際立たせる外観を目指した。
歴史ある老舗ビルの構えとして華美にならず、上質な夜間景観は銀座という環境にも順応しながら個性を主張したファサード照明の好例である。