芦ノ湖への眺望を確保しながら周囲の山並みや自然に溶け込むよう計画された会員制のリゾートホテルである。客室のリビングには、空間の広さや用途に応じた6種類の調光シーンが設定されており、ゲストが快適に過ごせるよう、使いやすさと上質なくつろぎを演出している。
アライバルラウンジは、三方が外の自然に開放された空間となっており、箱根を象徴する寄木細工をモチーフとした格子天井は軒先部分のみ、直下の水盤から水の波紋を投影した光がうっすらと照らし上げている。床面への光は2種類のゴボ照明を使用し、単体または重なり合わせることで多様な木漏れ日を表現している。
建物が複数棟に分かれている場合でも、連絡通路ごとに異なる光環境を創出し、全体の統一感を保ちつつも変化を楽しめるような工夫がなされている。観光地の宿泊施設にふさわしい、非日常感と居心地の良さを両立した照明計画となっている。