五島リトリートrayは、長崎県五島市の地域創生を目的に五島市の魅力を伝え、鐙瀬海岸エリアの活性化のシンボルとして計画されたスモールラグジュアリーホテルである。敷地は、西海国立公園に属しており、五島列島(下五島エリア)ジオパークとして重要な拠点である鐙瀬ビジターセンターや鐙瀬海岸に隣接し、北側からは島のシンボルの鬼岳を一望できる。
ホテルは、鬼岳と鐙瀬海岸に正対するように配置され、ロビー、レストラン、バー、スパ、瞑想室、26室の半露天風呂付きの客室で構成されている。ロビーの壁と天井にはアルミパネルを配し、水平線や外の景色をロビーの中まで広げている。中央の大テーブルではレジンで水盤を表現し、景色に浮かぶ雲や青空が映る。客室は全室が海に面した7.4mのワイドスパン、2.5mのフルハイトサッシとし、窓際の壁に鏡を貼ることで外に広がる水平線や景色を室内に取り込んでいる。
全体的に温かみのある色温度で計画され、「街の賑いを生み出すあかり」「パブリックスペースを照らすあかり」「ゲストを癒すあかり」という3つのコンセプトに合致した照明計画となっている。