熊本城特別見学通路 66

九州沖縄6熊本県熊本市中央区

照明普及賞受賞

  • 株式会社日本設計
図1 天守閣を望む
図1 天守閣を望む
図2 飯田丸通路を望む
図2 飯田丸通路を望む
図3 熊本市街を見下ろす
図3 熊本市街を見下ろす
図4 全景
図4 全景

概要

 熊本地震により熊本城は甚大な被害を受け、復旧工事完了まで約20年の時間が必要であった。まちのシンボルである熊本城の復旧工事を、被災した城内で文化財の復旧過程の見学を実現させる計画であり、復旧を見届ける20年間のみ存在できる仮設の空中歩廊建築である。
 この建築を具現化するため、復旧工事中である特別史跡内の厳しい制限(地面掘削、樹木伐根、杭打ち不可、城内の継続的な工事に支障の無い計画等)をクリアし、熊本城の環境と一体となった佇まいを目指した。針の穴を縫うように城内に点在する空間を繋ぎ合わせて行く作業を繰り返す事で、全長350m、高低差21mの一筆書きの柔らかな弧を描いた見学通路を創りあげた。

2020年照明普及賞 寸評

  • 連続した足元灯が、見学通路と伴に曲線を描きながらライトアップされた熊本城につながっている。
  • 見学者のグレアと安全性を考慮して照明器具をデッキ足元に設置し、歩行者の安全性と主役を引き立てることの両立性に配慮した計画となっている。
  • 20年という期限付きの施設ではあるが、熊本城のライトアップとの相乗効果により、復興途上の本地域に活気を与えるものと期待される。