ならはスカイアリーナ 10

東北5 福島県双葉郡楢葉町

照明普及賞受賞

  • 楢葉町
  • 株式会社山下設計 東北支社
図1 施設外観
図1 施設外観
図2 アリーナ
図2 アリーナ
図3 屋内プール
図3 屋内プール
図4 エントランスホール
図4 エントランスホール

概要

 周囲からも様子が窺える高台の立地を生かし、2階フロアを1周265mのランニングコースが周遊する楕円型の建築形状によって、建設地である楢葉町総合グラウンドと調和した配置が特徴である。
 1 階はアリーナとプールからなるスポーツをする(活動)空間、2階はランニングコースに加え、キッズ・トレーニングルームからなるスポーツをみる(観覧)空間と定義し、双方は吹抜けを介して視線が交差する立体的な空間構成により、多世代交流のきっかけを提供している。
 太平洋も望める360度の眺望豊かなランニングコースは、利用者に快適な運動環境を提供するとともに日射負荷からアリーナとプールを守っている。外観はアルミルーバーと太陽熱集熱パイプからなるエネルギールーフと名付けた円錐曲線を描く大屋根を特徴とし、再生可能エネルギーを主としたエネルギー構造転換に大きく舵を切った楢葉町の新たな決意と、町民の活力を県内外にアピールするデザインとなっている。

2019年照明普及賞 寸評

 福島県楢葉町に新設されたアリーナとプールからなる、複合型屋内運動施設である。太陽光、太陽熱、地中熱の積極的な導入により、エネルギー消費量の大幅な削減を実現している。アリーナでは、大空間において公式競技にも対応した高照度を確保するべく、LED高天井器具を3台を1ユニットとして多数配置され、且つゾーン単位で明るさを調整できる無線調光システムの採用により、各種イベントにも対応できる利用価値の高い照明システムが構築されている。プールでは、自然採光とキャットウォークを利用した投光器具による間接照明の工夫により、遊泳者にまぶしさを与えない。用途に応じた適材適所の自然採光・照明・空調計画により、各空間において快適な室内環境が造られており、その照明効果は極めて高いものとなっている。