2018年、パナソニックの創業100周年記念事業の一環として、かつて門真1006番地に松下幸之助が構えた第三次本店を復元し、松下幸之助の経営理念や歴代製品の背景にある「ものづくりの心」について「学び」の機会を提供する企業文化の発信拠点として整備した。ミュージアムの外装や内装の一部は創業時の本店社屋を忠実に再現し、来訪者が当時の時代背景や松下幸之助の想いを感じられるものとした。展示演出ではLED照明通信やインタラクティブ映像システム等の先進技術を導入し、国内外の様々な来訪者が楽しめる展示構成になっている。外構には「さくら広場」や屋外アートを設置し、地域の賑わいやコミュニティ醸成の場づくりを行っている。
企業創業者の生涯と社史を展示する企業博物館である。古い照明器具を復元することによって、創業時の雰囲気を伝えている。博物館のエントランスや展示室の照明は、落ち着いた質の高い光環境を作り出している。それを実現するために、空間の明るさ感に基づいた設計や、多様な照明器具を用いた丁寧な光源設定がなされている。LED照明通信によるパネル情報の提供や映像と照明を同時に用いたパネル展示等、情報と照明の新しい関係性がデザインされており、今後普及効果が期待できる。