東京駅に直結する八重洲通り、これと立体交差する首都高速道路、その上部の人工地盤上の公園。NIPPO本社ビルは、さまざまなインフラが立体的に結節する位置にある。NIPPOは道路をはじめとしたさまざまな都市基盤をつくってきた会社であり、「ミチ」を「さまざまな要素をつなぐもの」と捉え、設計コンセプトとした。内部空間は限られた階高の中で天井高さを最大限確保するため、PCaコンクリート床板を直天井として採用し、躯体自体を反射板とした間接照明により施設全体を構成している。施工会社の本社屋に相応しい、施工技術を照らしだす照明計画であり、意匠・構造・照明がハイブリッドに融和した計画である。積層されたPCaコンクリート間接照明により、本社ビルとしての発信性を高め、足元で立体交差する公園や首都高速道路に向かって新しい景観を創出している。