令和6(2024)年4月

「日本古燈器大観」と日本のあかり文化研究調査委員会について

委員長 大谷義彦

 当委員会は、委員会名が示している通り、日本の古いあかり文化に注目して、研究調査を続けております。発足は2011年で、それ以来本年で5期目、通算14年目1)を迎えております。その間、期ごとの委員会研究報告書を初めとし、照明学会誌2015年12月号で特集号「日本のあかり文化をさぐる」や2020年6月照明年報号年報ズームアップでは、当委員会の研究内容を紹介しております。また、ごく最近では照明学会誌2024年5月号で「蠟燭の揺らぎに魅せられる―《国立能楽堂夏スペシャル》蝋燭の灯りによる 特集・蝋燭のゆくえ 団体鑑賞会を実施して―」があります。そのほか照明学会全国大会における山口、名古屋、東京、仙台の各大会でのシンポジウム2)の開催や、あかりに関係ある視察・研修会・鑑賞会3)などを行いました。

 委員会そのものは、年に6回開催しており、委員会名にもあります「日本古燈器大観4)」の読み下しや見直しの作業を綿密に実施しておりまして、ゆくゆくは「日本古燈器大観」の続編、新編の刊行を考えております。

 また、各委員それぞれの日本のあかりに関する独特なテーマによる研究発表もあり、毎回充実した委員会の時間を過ごしております。

 本年度は、「日本古燈器大観」の読み下しが一通り終了しますので、もう一度全体を見直して、用語や文体などの統一を図り、一般の方々にも読みやすいものとするよう整えていこうと考えております。また、視察・研修会・鑑賞会については、古民家等を使った昔のあかり体験会、また国立能楽堂での蝋燭の灯りによる団体鑑賞会(9/26)などが計画、検討されています。

 このような活動に興味があり、参加したいと思われる方は照明学会事務局までご連絡頂ければと存じます。ちなみに、本年度の委員会は6月6日(木)、8月7日(水)、10月11日(金)、12月6日(金)、2025年2月7日(金)のいずれも14時~17時に照明学会会議室(Web参加も可)にての開催を予定しております。

1) 当委員会の歴史

1期:日本のあかり文化調査委員会2011.4~2014.3
2期:日本のあかり文化研究調査委員会2014.4 ~ 2016 .3
3期:あかり文化研究調査委員会2016.4~2019.3
4期:「日本古燈器大観」とあかり文化研究委員会2019.4~2022.3
5期:「日本古燈器大観」と日本のあかり文化研究調査委員会2022.4~2025.3(予定)

2) シンポジウム

・「今こそ日本のあかり文化を生かす~古灯器に学ぶ~」2012.9.6於山口大学100名
・「今こそ日本のあかり文化を生かす~古灯器に学ぶ~」2013.3.12於日本大学105名
・「体験しよう!灯してみよう!日本のあかり文化~『日本古燈器大観』に学ぶ~」2013.9.7於名古屋大学95名
・「日本のあかりを振り返る」2017.9.5於東北学院大学10名

3) 視察・研修会・鑑賞会

・江戸民具街道(神奈川中井町)2012.5.1
・あかりの資料館(高崎)2013.1.27
・神戸らんぷミュージアム2013.3.23
・茶室「寿庵」(東京谷中)でのあかりの実験2016.4.18
・横浜ユーラシア文化館での「魅惑のランプ展」 2018 .3 .3
・ガスミュージアム(東京小平)での「小林清親展」2018..3 .1
・国立科学博物館での「千の技術博」2019.1 .18
・国立能楽堂での「蝋燭公演団体鑑賞会」2023.8.24,26

4) 日本古燈器大観

 照明学会創立15周年記念の年である1931(昭和6)年に刊行された我が国のあかりに関する解説付きの図録である。大きさは見開きで縦362mm×横533mmの左側に図版を、右側に和文と英文で解説を記している。掲載点数は608点で、あかりに関する資料や浮世絵などのほかに、各時代様式の中に燈器を配した時代風俗の写真も含まれている。

「日本古燈器大観」と日本のあかり文化調査研究会TOPに戻る

PAGE TOP