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標準仕様書TS C 8153「照明用白色LED装置性能要求事項」制定について

平成19年7月20日
社団法人日本電球工業会

 社団法人日本電球工業会は、関連する業界関係者のご協力のもとに、先に(平成17年3月)制定した日本電球工業会規格JEL811「照明用白色LEDモジュール 安全性要求事項」に続き、このたび、照明用途を目的とした白色LED装置の性能に係る標準仕様書TS C 8153「照明用白色LED装置性能要求事項」(以下、本規格と呼称する)を制定致しました。

 白色LED装置が研究・開発され、その性能向上とともに、一般照明分野にも応用・使用が開始され、今後の更なる応用拡大が期待されています。しかしながら、従来光源である白熱電球、蛍光ランプ及びHIDランプとその発光原理が異なる白色LED装置を一般照明用光源として利用するには、ユーザーが使用に際して誤使用、過大評価、過小評価などすることがないように、従来光源の評価と整合した照明用白色LED装置としての性能評価の方法を定めることが極めて重要です。

 本規格は、白色LED装置の製造者及び使用者における実態を詳細に調査し、従来光源である白熱電球、蛍光ランプ及びHIDランプに関する性能規格との整合を基本にして、白色LED装置を照明用に応用・使用するに当たり、評価すべき性能要求事項を規定したものです。これにより、照明メーカーやLEDメーカーをはじめ、より多くの関係者がその実用上の性能確保のために容易に活用できることが期待されます。

 今後は、3年後には工業標準(JIS)化を目指すとともに、並行して、国際規格化に向けてIECへ提案して行く所存です。

規格の特徴

  • 照明用途を目的とした照明用白色LED装置の性能要求事項を規定しました。
  • 従来光源の評価方法との整合を図りました。
  • 照明用光源として記載すべき性能の表示について規定しました。

問い合わせ先

経済産業省 産業技術環境局
環境生活標準化推進室

【補足資料:規格制定の背景】

(1)規格作成の経緯

 白色LED装置は世界的な開発競争の結果として、その発光効率が年々向上しています。現在では白熱電球の発光効率を超え、将来的には蛍光ランプの発光効率に迫る勢いです。白色LED装置を光源として採用した小形照明器具も増加しつつあり、将来白色LED装置を、より光出力を要する一般照明に使用できるようにするためには、製品安全や製品性能などの点で問題の起こらないようにすることが緊急且つ重要な課題でした。(社)日本電球工業会では、まず安全性を第一に考え、平成17年3月に安全規格JEL811を制定し、平成17年12月からは経済産業省の「社会ニーズ対応型基準創成調査研究委託」として「一般照明用白色LED光源の標準化に関する研究調査」に取組み、当工業会内に規格原案作成委員会を発足し、照明用途を目的とした白色LED装置の性能要求事項の規格化に取り組み、その成果として本規格の制定に至りました。

(2)なぜ、性能規格が必要なのか

 白色LED装置を一般照明用光源として使用するには、従来光源である白熱電球、蛍光ランプ及びHIDランプとの互換性、整合性が必要で、光源としての性能を従来光源と同じ評価基盤で評価する必要があります。しかし、白色LED装置は、種々の点で従来光源とは異なっているため、白色LED装置としての性能評価の方法を定めて、従来光源の評価と整合させないと、使用者サイドで誤使用、過大評価、過小評価などの問題が生じる恐れがあります。また、従来の照明業界以外からの製品参入も考えられ、照明用製品として必ず記載する必要のある性能の表示を定めて、とくに使用者に対する安全性事項については、その表示を義務付けるなどの処置も必要になります。

 安全規格については、前述したとおりすでに制定しましたが、今後の普及拡大のためには性能規格が不可欠であり、本規格の早急な規格化が切望されていました。 

(3)本規格原案作成委員会について

 (社)日本電球工業会では、「照明用白色LED標準化委員会」(委員長:中川靖夫(埼玉大学名誉教授))を組織して、白色LED装置に関する規格化を進めております。それをさらに具体化するために2つの分科会を設けています。1つは、測定に関する分科会「照明用LED測定分科会」(主査:鈴木健一)、もう1つは、製品規格に関する分科会「照明用LED製品仕様分科会」(主査:石井健一)です。本規格は後者の分科会を中心に作成しました。

 委員会および分科会を含めた全委員の構成は下表の通りです。

種別 参加団体名
学協会、研究機関 照明学会、産業技術総合研究所、埼玉大学、山口大学、日本照明器具工業会、
LED照明推進協議会、日本電球工業会
照明メーカー 松下電器産業、東芝ライテック、松下電工、三菱電機照明、日立ライティング、
岩崎電気、大光電機、ウシオ電機、NECライティング、オスラム・メルコ、森山産業、
小糸製作所、ニッポ電機
LEDメーカー
測定機器メーカー
日亜化学工業、スタンレー電気、豊田合成、シャープ、
フィリップス・ルミレッズライティングジャパン、ローム、大塚電子、
トプコンテクノハウス

【補足資料:規格の概要】

(1)特長

  • 照明用途を目的とした白色LED装置の性能要求事項を規定したものであり、国際的にも最初のものです。
  • 白色LED装置を照明用光源として導入するために有効な規格です。

(2)目次

本規格の構成は以下の通りです。

  1. 適用範囲
  2. 引用規格
  3. 用語及び定義
  4. 分類
  5. 一般的要求事項及び試験上の一般注意事項
  6. 一般使用条件
  7. 電気的特性
  8. 光学的特性
  9. 光束維持率
  10. 寿命
  11. 口金、コネクタ及び端子
  12. 表示
  • 附属書A(規定) 電気的特性の試験方法 
  • 附属書B(規定) 絶縁性及び耐電圧
  • 附属書C(規定) 光束維持率及び寿命の試験方法
  • 附属書D(規定) 検査

(3)今後の課題

  • JIS化(2010年)
  • 国際規格化のためのIECへの提案

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