ここ数年の間に得られた光と生体リズムに関する新たな知見は、生活環境における光のあり方に関する私たちの考えを一変させつつあります。これまで、光がヒトの生体リズムに作用するには、数千ルクスという明るさが必要と考えられてきました。しかし、最近の研究報告では、一般的な屋内照明により照射可能な100ルクス前後の光でも作用することが報告されており、現代社会における明るい夜間照明に対する不安へとつながっています。また一方で、照明を用いた日中の補光により、生体リズム機能の維持・改善を行う光療法が実用化され始めています。
このような背景から、最近ではこれらの作用を考慮した上での屋内照明基準見直しの声が高まってきています。さらに、「睡眠促進ホルモン」とも言われるメラトニン分泌の光抑制作用スペクトルと新たな光受容器や視物質の発見は、照明産業界にも大きなインパクトを与えることとなりました。これまで明視性・色空間再現などを主題に発展してきた照明ですが、今後は、生体リズムへの作用を介した健康への影響という新たな要素を加味し、光源・照明装置のデザインを再考していかねばなりません。
これらの現状を踏まえ、本セミナーでは、光がヒトの生体リズムや睡眠・覚醒に及ぼす影響を中心として、さらにそれらが私たちの心身の健康とどのような関わりを持っているのかについて、専門の先生方に幅広い視点で解説していただきます。
2006年3月9日(木)13:20〜17:00
電力館(東京・渋谷)8階ホール
渋谷駅ハチ公口から原宿方向へ徒歩5分
JR山手線・埼京線 地下鉄銀座線・半蔵門線 東急東横線・田園都市線 京王井の頭線 の各渋谷駅下車
JCIE会員・協賛学会会員: 3000円 / 一般:6000円 / 学生:1000円
135名
(社)日本照明委員会
(社)照明学会、(社)日本電球工業会、(社)日本照明器具工業会、日本睡眠学会、日本時間生物学会、日本生理人類学会、(社)日本建築学会 など
東京電力(株)
13:20 〜 13:25 | セミナー開催挨拶・趣旨説明 | JCIE会長 矢口 博久 |
13:25 〜 14:00 | メラトニンの作用機構と機能 | 石堂 正美(国立環境研究所) |
14:00 〜 14:35 | 光とメラトニン | 安河内 朗(九州大学) |
14:35 〜 14:50 | 休憩 | |
14:50 〜 15:25 | 光環境と睡眠 | 小山 恵美(京都工芸繊維大学) |
15:25 〜 16:00 | 臨床場面における光療法の実践 | 遠藤 拓郎(特定医療法人社団 青山会『青木病院』) |
16:00 〜 16:35 | 照明への応用とCIEにおける取り組み | 野口 公喜(松下電工(株)) |
16:35 〜 16:40 | 閉会の辞 | 河本 康太郎(千代田工販(株)) |
申込書(書式自由)に「JCIEセミナー申し込み」と明記し、氏名、勤務先、連絡先をご記入の上、FAX、E-mailまたは葉書でお申し込みください。受付後、事務局より確認のご連絡を差し上げます。
(社) 日本照明委員会事務局 森
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-8-4 吹田屋ビル3階
TEL:03-5294-7200 FAX:03-5294-0102
E-mail:ciejapan@mb.infoweb.ne.jp
URL:http://www.ciejapan.or.jp
2006年3月2日(木) 但し、満員になり次第締め切らせていただきます。