呼吸器・アレルギー疾患、結核医療のセンター機能を果たす南河内地域の中核病院である。新病院棟は6階建ての低層建物とし、南北で約1層分のレベル差を生かしてスタッフ・サービス入口を1階、病院主玄関を2階にすることで、利用者動線を明確に分離し構内の安全性と利便性が向上している。結核病棟は、病院北側のはびきのガーデンと石曳池を望むことができる1階に配置し、長期入院患者への癒しの療養環境に配慮した。4・5階は放射状に広がる1フロア4看護単位の病棟形状とし、動線短縮が図れる構成となっている。病棟フロアの中心にはスタッフコモンズを配置し、スタッフ専用スペースの充実が図られている。
感染症の専門病院という特徴を持つ建築であり、“癒し”をテーマとした照明計画が行われた。入院患者、外来患者や患者家族はもちろんのこと、常に緊張を強いられる病院スタッフの安心感や癒しにもつながる光環境づくりを行っている。更に、感染対策の換気量増によるエネルギー消費量増加に対し、照明計画上もきめ細かく省エネルギー化を進め、地球環境への癒しへと繋げている。
感染症の専門病院という特徴を持つ建築であり、利用者に「癒し」を提供するというコンセプトのもと、病院における安全性に加えて省エネルギーにも配慮した様々な照明計画を実施している。色温度や均整度を考慮したダウンライトの設置、案内表示のスポット照明、庭園の樹木照明など、随所に患者やスタッフの利用に合わせた照明がそれぞれの役割を果たしている。光漏れの低減やランドマーク機能など、周辺地域への配慮も行き届いている。