秋田県と秋田市が共同で整備し、文化芸術の創造拠点として久保田城跡に2022年9月に開館した。大ホール(2,007席)、中ホール(800席)およびリハーサル室兼小ホールなどから成る施設である。
歴史ある千秋公園との調和を図りながら、都市の魅力を発信できる高いデザイン性と歴史的景観である外堀=城址の森に呼応する文化創造の場となる施設を目指した。
周囲を取り囲む低層部は、樹木と呼応する関係をつくりだすために軒高をできる限り抑え、また、堀の水辺、土塁に溶け込むように、陰影をつくり出す「水平庇」をまとい、歴史的景観へ応答する姿をつくりだすことを目指した。
城址特有の地形のレベル差を活用し、2つのホール客席をⅤ字柱で浮かせ、パブリックスペース「秋田小路」を構成した。「秋田小路」は見る見られる関係であふれる人々の居場所の創造を意図した。
大ホールの浮雲と呼ばれる巨大な天井照明や、吹き抜け空間に直線的に配置された間接照明、壁面に埋め込まれた伝統工芸の立体演出など、来館者の目を楽しませてくれる光が多数放たれている。
建築内装の秋田杉との調和や調光システムを利用した減光による省エネにも配慮している。