あたらしい照明 /2022 /44 九州3鹿児島県奄美市奄美市本庁舎

奄美市本庁舎 44

九州3鹿児島県奄美市

概要

　既存庁舎(昭和42年竣工)の老朽化に伴う建て替え事業により建設された。市民広場とつながる2階には多くの市民が訪れる市民課や福祉関係課などの窓口を優先的に配置し、ワンフロアで各種手続きが完結する「ワンフロアサービス」が可能な計画とした。奄美大島には「大島紬」という織物が伝統文化として島全体に強く根付いている。大島紬の伝統文様や生産工程を学び、タテ糸やヨコ糸からつくられる様々な文様の最小構成単位である「十の字絣（かすり）」をモチーフに奄美の厳しい日射の遮蔽や暴風時の飛来物から建物を守る機能を兼ねる「紬スクリーン」や内装の「紬の木格子」がデザインされた。

2022年照明施設賞 寸評

• 建築の外装や内装、および照明設備の適切な配置により、新しいかたちでの伝統文化の継承を目指した「大島紬をまとう庁舎」のコンセプトが見事に実現されている。
• 紬スクリーンは、昼間は昼光を適度に取り入れ、夜間には建物の人工照明を適度に遮るように工夫され、昼夜それぞれに照明を意識させる効果をもたらしている。