国、県、市の三施設が一体となった新庁舎であり、多様な機能が一体となった新庁舎はそれぞれが独立しながらも、連携、協働、交流をすることで、新しい文化やにぎわいを創出する空間を実現している。外壁はガラスを主体とし、透明性の高い設えとすることで内外の活動が互いにわかりやすく、積極的に人を呼び込み、市民を迎え入れる五條市のシンボルとして市民活動を誘発するデザインとなっている。
五條市のまちなみである軒や庇の重なりを継承し、水平線を強調した伸びやかな構成となっており「和」の要素を現代的な形にアレンジし、積極的に取り入れている。また、暖かさを感じさせる木の視感、質感を重視し、庁舎内の壁や天井、手すりに積極的に木を取り入れたデザインである。
さまざまに設定された各部屋のコンセプトや用途に対して、適切な光源の色温度や照明器具の選択によって、庁舎としての機能性を維持しながら効果的な空間を演出している。また、照明制御装置による施設全体の管理や、光源のみを交換できるダウンライトの採用など、運用面も配慮されている。