浜松いわた信用金庫は、浜松地域の皆さまに愛される金融機関として、2019年に浜松信用金庫と磐田信用金庫が合併した信用金庫である。原島支店・天王支店は、2020年11月浜松市北東部の住宅地に新築・移転オープンした。
外観に施されたグラデーションパターンは、遠州灘の波をイメージした正弦曲線(周期性のあるリズム)を立面に変換したものである。建物正面では列柱空間として表れ、その他の立面では壁面の目地間隔をコントロールし表現している。列柱空間は駐車場からの来客者を安全に入口まで導く歩車分離機能として作用すると共に、空間内を屋内天井と同様の天竜杉で仕上げることでロビーから外に向かう視線を受けるスクリーンとして内部空間の奥行き感と一体感を制御している。整形な造形に信用金庫らしい風格を象徴させる一方で、人が触れることができる箇所には柔らかな質感を印象付ける設えとすることで、存在感と親しみを地域に与える店舗となっている。
間接照明、直接照明の特徴を活かし、空間の広がりが演出できており、建築と融合した空間づくりができている。「地域に開く」という企業姿勢を列柱から漏れる光で表現し、金融機関としての光環境計画のあり方として普及性が高い。