十日町市博物館 07

東北2新潟県十日町市

照明普及賞受賞

  • 十日町市
  • 株式会社 石本建築事務所
  • 有限会社 阿部設計事務所
  • 株式会社 トータルメディア開発研究所
図1 ライトアップ(全景)
図1 ライトアップ(全景)
図2 ライトアップ(近景)
図2 ライトアップ(近景)
図3 エントランス
図3 エントランス
図4 常設展示室
図4 常設展示室

概要

 国宝の火焔型土器が博物館の展示の目玉であるが、常設展示のテーマは「縄文時代と火焔型土器のクニ」「雪と信濃川」「織物の歴史」の3つとなっており、3mを超える豪雪地帯である十日町のくらし、縄文時代から続く越後縮に代表される麻織物の歴史などを紹介している。
 階構成は1階に展示室、2階に収蔵庫とし、国宝・重要文化財を収蔵する2階収蔵庫には塗膜防水の屋上コンクリートスラブの上に金属屋根を載せ、二重の防水を施し、日射の熱負荷などの外部環境の変化も受けにくい構造としている。空調方式、セキュリティについても文化庁の指導を受け公開承認施設の規準を満たす博物館である。
 十日町地方の特性でもある3つの展示テーマを外観のデザイン要素にも取り入れることで、博物館そのものが十日町地方のアイデンティティを表現・発信するシンボルとなり、国内外から訪れる多くの来館者を迎え入れるように計画されている。

2020年照明普及賞 寸評

  • 建物外観は、火焔型土器をモチーフにした剛健な壁面と雪と織物を表現したパンチングメタルの曲面が特徴的で、それらを異なる照明手法でライトアップすることにより、土器、雪、織物に代表される十日町の歴史、文化が印象的に浮かび上がる。
  • 展示室には、調光・調色が可能なLED光源が採用され、将来の展示変更にも柔軟な対応が可能で、他施設への波及も期待できる。