山荘 京大和 ・ パーク ハイアット 京都 52

関西9 京都府京都市東山区

照明普及賞受賞

  • 株式会社竹中工務店
  • トニーチー・ライティング
  • 有限会社内原智史デザイン事務所
図1 全景
図1 全景
図2 ザ・リビングルーム
図2 ザ・リビングルーム
図3 バー「琥珀」
図3 バー「琥珀」
図4 山荘 京大和
図4 山荘 京大和

概要

 京都・高台寺の南側に位置し、三方を山で囲まれた古都の街並みを一望のもとに見渡せる東山の山裾にあるホテルである。料亭の既存建物や庭園を保存・活用することで、その奥深い魅力とインターナショナルな洗練された豊かさを組み合わせ、「積み重ねた伝統の上に親密で新しい体験を生み出す」こと、そしてこの場所ならではの特別な体験が日々新たに生み出され、「時を重ねるほどに深みを増す風景となっていく」ことを目指した。外構照明は町並みとの調和を意識し、敷地内は建物と庭とが一体となった庭屋一如のコンセプトに沿った、内外の親密な空間を演出するために行われた。光を作る西洋の作法と陰を作る陰影礼賛的な日本の作法を意識し、灯具を見せる照明、灯具を見せずに光を感じさせる照明、あえて光を感じさせない場所を意図的に配置している。照度を全体的に抑えつつ光と陰を効果的に配することで、きらびやかなホテルではなく、静謐(せいひつ)で親密なゲストハウスとしての建築と庭との調和を図った。

  • 完成:2019年10月
  • 規模:敷地面積8,796.47㎡、延床面積14,065.05㎡(既存木造を含む)、地上2階、地下4階、RC/S/W造

2019年照明普及賞 寸評

 施設全体として明るさが抑えられ、光と影が効果的に配置されることによって落ち着いた雰囲気が表現されている。リビングでは天井を際立たせる間接照明、バーでは街の夜景と融合したきらめきが感じられる照明、和室では提灯のような器具を用いて落ち着きを感じさせるなど、空間に応じた照明計画がなされている。