大学のキャンパスに隣接する幼保連携型こども園である。棟に分かれた建物によって、大学と周辺地域をつなぐ街並みが形づくられている。建物を雁行させて、桜並木を通り抜けられるアプローチをつくった。内外装には自然由来の素材を中心に採用し、大人にもこどもにも優しくおおらかな雰囲気が感じられる施設になった。
最も特徴的なのは、主なエリアで建築意匠と一体化した間接照明が主照明となっている点である。活動拠点となる保育室には、寄棟形状の天井のスリットや棚上などにライン状の照明を設置し、床面200ルクスが確保されている。またトップライトの設置により、自然光にも触れることができる。
保育室以外の部屋(多目的室、遊戯室、ランチルーム)も同様の手法を踏襲しているが、様々な催事に使う目的で、照明器具の台数を増やして床面300ルクスを確保した。やわらかい光で包まれる手法に統一することで、施設全体の一体感が実現できている。