見立の古民家 K邸は、多島美の瀬戸内海を臨める古民家を全面改修した住宅である。古民家の木造柱や黒漆喰の外壁は、落ち着きのある雰囲気を醸し出し風情のある住宅に仕上がっている。照明の特長として、梁組みを見せた玄関土間や客間は、美濃和紙や木綿糸等の自然素材を使ったペンダントライトや行灯のやわらかな明かりで演出し、和紙の光壁でやさしい空間を演出していることである。また、瀬戸内海が一望できるリビングには、LED間接照明やお洒落なペンダントライトをポイントに使い、時間や使い方で調光器により明るさを調整している。LEDダウンライトは、光源の眩しさを抑えたグレアレス仕様の器具を採用している。
リビングの折上天井や寝室の壁面、客室の光壁に設置したLED間接照明によるやさしく広がる間接光が、各空間の明るさを確保しつつ、既存建築をより広く、開放感のある空間となっている。また、母屋にはLED和風照明を使用し、落ち着いたやさしいあかりで空間を包み込むことで、既存建築との調和を図り、一体感のある和風建築を醸し出している。