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第89巻 第6号 2005年6月

特集 ぶらり パリの街あかり

 フランス共和国の首都「パリ」は,花の都,芸術の都,ファッションの都,そして美食・お菓子の都などと呼ばれ,世界中の人々がいつも熱い視線を投げかける華やかな街で,西ヨーロッパにおける政治,経済,文化の中心的な位置付けを担っている大都市である.
 19世紀中頃に建てられたオスマン様式の大きな建物やモニュメントが,現在でも多く残るその気品溢れる街並みは,昼間は外観が薄ベージュ色,高さと傾斜が統一されたグレーの屋根の建物が連なる眺めで,最もパリらしい景観の一つである.
 トワイライトの一瞬のドラマが終わり,パリがすっぽりと闇に包まれるソワレの頃になると,陽光を受けて輝いていた無彩色の街並みが華やかな光のベールをまとい,美しく変貌する.特にクリスマスから新年にかけて,イルミネーションの光の列が整然と流れていくパリの街並みは,現実を忘れさせるほどの美しさで,我々の心はその素晴らしい光のアートが創る光景に酔いしれる.
 都市環境照明の歴史を振り返れば,ルイ14世統治下におけるパリの街では,文化繁栄の象徴として,夕刻になると通りに面した窓辺をランタンで灯しだしたとの記録がある.その後,ガス灯による街灯がパリの街で初めて灯り,それ以来,今日に至るまで,都市の「街あかり(環境照明)」は,文明のバロメータとなってきた.
 本特集号では,(パリの街あかり)に関していろいろな専門分野からの記事を特集した. (学会誌編集委員会パリWG)

Vol.89, No.06表紙

■照明のデータシート
(No.1193)パリ・ノートル・ダム大聖堂のライトアップ 石井リーサ明理 273
■口絵
パリを思う パリ都市考 山家哲雄 277
パリに住む 住区のあかり 百里美和 280
パリに集う 広場のあかり 高橋亜須未 282
パリに誘う クリスマスイルミネーション 阿部麻由香 284
パリで寛ぐ フライトアテンダントのパリの休日 藤本真由美 286
パリを歩く ツァープランナーお薦めのパリの歩き方 近江かおり 287
エピローグ 特集号の企画&編纂および現地調査を終えて 山家哲雄,百里美和
高橋亜須未
阿部麻由香
288
■今日の課題
照明学会の取組み 松本泰幸 289

特集 ぶらり パリの街あかり
■資料
プロローグ パリから届いたメッセージ Louis Clair 290
パリを思う パリ都市考 山家哲雄 292
パリに住む 住区のあかり 百里美和 307
パリに集う 広場のあかり 高橋亜須未 317
パリに誘う クリスマスイルミネーション 阿部麻由香 323
パリで寛ぐ フライトアテンダントのパリの休日 藤本真由美 329
パリを歩く ツァープランナーお薦めのパリの歩き方 近江かおり 337
エピローグ 特集号の企画&編纂および現地調査を終えて 山家哲雄,百里美和
高橋亜須未
阿部麻由香
344
■文献紹介   347
■文献ガイド   349
■学会記事   351
■書評   353