このたび、当学会にて作成いたしましたJIS原案が、日本工業標準調査会審議のもと、平成20年3月20日に制定されましたので、概要を以下にご紹介申し上げます。
一般に使用される照度計のJISはJIS 1609-1として、2006年に制定されているが,計量法で定められた特定計量器としての照度計,いわゆる検定付照度計も,取引又は証明用の照度計として広く使用されており,その仕様及び性能については特定計量器検定検査則(以下,検則という。)という法規で規定されていた。しかし今回,検則をJIS化するという国の施策にともなって,内容も見直され,あらたにJIS C 1609-2が制定された。前述のように,従来用いられてきた,一般の照度計を対象としたJISは,JIS C 1609-1(照度計−第1部:一般計量器)として2006年に制定されているので,今回の制定により,照度計のJISは2部編成となった。
この規格の特徴は次の通りである。
(1)現行制度との混乱を避けるために,検則の要求事項及び検査内容をそのまま継承するとともに,可能な限り,JIS C 1609-1との整合につとめた。整合性についての詳細は,解説で補足した。
(2)JISが2部編成になったことにより,JIS C 1609-1で定める一般の照度計と誤用されることが懸念されるため,規格の冒頭において,取引又は証明用のJISである旨を明確にした。
(3)用語は,特例として法令用語を引用し,関連法規との整合性を図った。
(4)照度計の相対分光応答度のV(λ)特性との一致度を示したf1’の値については,検則で定められていた8 %を継承したため,JIS C 1609-1とは異なっており(JIS C 1609-1では一般形AA級が6 %と厳しく見直されている),次回改正時の課題となっている。
本規格が広く活用され,取引証明用の照度計に対する理解と,検定制度の普及に寄与できるよう,大いに期待する次第である。